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はじめに

こんにちは。

この度、「宝石豆知識」なるコーナーを開設しました。

世の中にはたくさんの宝石があります。

その中でも最も有名なものはダイヤモンドですが、色のついた宝石としては、赤いルビー、青いサファイア、そして緑色のエメラルドなどが有名です。

しかし、それ以外にも多くの美しい色石が存在します。

そこで、知られているようで実はあまり知られていない色石について、ここでおおまかにご紹介してみたいと思います。

石や鉱物について詳しい方には退屈なコーナーとなってしまうかも知れませんが、あくまでも一般の方々向けの内容ですので何卒ご容赦の程、よろしくお願い致します。

また、記載内容は不定期に更新されることがありますが、何卒ご容赦ください。

レモンクォーツ

ブラジル産レモンクォーツ☆オクタゴン18x13☆15.34ct.

レモンクォーツとは鮮やかな黄色い水晶を指します。

しかしながら、「レモンクォーツ」という名は商品名であり正式な宝石名ではありません。

その名の由来は見た目通りレモンのような鮮やかな色をしているからです。また、少し緑色を帯びていることもこの石の特徴です。

正式には(鑑別書の表記では)「クォーツ」となります。黄色なのにもかかわらず色名が付きません。

この石は1990年代にブラジルで出た石だといわれています。その色合いが緑味を帯びた金色のように美しかったので「オーロベルデ」と呼ばれています。ここで、「オーロ」とは「金」、「ベルデ」とは「緑」を意味します。(ポルトガル語だと思います。)

1990年代のいつなのかはわかりませんが、現在弊社にこの石が出始めたころのルースや研磨前の石があります。日付は1997年とあります。

さて、ここで重要なことは年代よりも「出た」という言葉です。敢えて「産出」とは書きませんでした。何処から出たのかが問題です(笑)

レモン色は黄色、クォーツは水晶。ということはこれは黄色い水晶、つまり「シトリン」ではないのか?と思われる方も多いと思いますが、残念ながら今はこの石を「シトリン」とは呼べません。(1990年代にはシトリンと呼んでいましたが、今は呼べません。)

「シトリン」とは石も色も天然の黄水晶のことを言います。

この石の色は無色透明の水晶に放射線照射処理を施し、その後加熱することによって得られます。

照射した時点では茶色から黒色になりますが、加熱することにより脱色されていくようです。加熱処理を調整することにより濃いものから淡いもの、暗いものから明るいものまで作れるようです。実際、黒から黄色までのグラデーションのセットを見たことがあります。

つまり、まったくの無色のものを人為的にレモン色にしたものであり、材料となる無色の水晶(ロッククリスタル)は豊富に存在しますので必要とあらばいくらでも作ることが可能です。

レモンクォーツの場合、「石」自体は天然のものを使いますから確かに天然石ですが、「色」に関しては人工的です。これでは「シトリン」とは言い難いということです。(「シトリン」の色は天然なのか?という話はこの場では触れていません。)

人工的とはいえ綺麗な色であることは間違いありません。

その価値等を理解したうえで充分楽しめる石だと思います。

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モルガナイト

「モルガナイト」と聞いてピンク色を想像する人は宝飾業界人や通な方々を除いては世の中ではまだまだ少ないと思います。

その理由の一つにこの名前が色ではなく人名に由来しているということが考えられます。

宝飾業界ではこの名前がアメリカの資産家J.P.モルガン氏に由来することは業界では知られた話です。

マダスカル産モルガナイト☆ペアシェイプ12x6.5mm☆1.71ct

モルガナイトとは「べリル」という鉱物種のうちピンク色のものを指します。

ベリルと同じくベリリウムとアルミニウムを含んだ珪酸塩鉱物で、組成式もベリルと同じく Be3Al2(SiO3)6 です。エメラルドも同じ組成式です。

ここで小さな疑問ですが、エメラルドとモルガナイト、明らかに色が違うのになぜ組成式が同じなのでしょう??

それは、エメラルドやモルガナイトの色の原因(着色原因)が組成に関係していないからです。

モルガナイトはベリル内部に不純物として少量のMn(マンガン)(二価?)が入ることによってピンク色になります。

このように不純物によって着色する鉱物を「他色鉱物」といいます。不純物は少量なので組成には影響しないため組成式には現れないというわけです。

モルガナイトはエメラルドと同じ鉱物なのですが、エメラルドに比べて比較的良質で大きな原石が採れます。

従って、市場では比較的大きなルースが出回っています。

また、硬度(モース硬度)は7.5~8であり、宝石としては充分に使用可能な硬さがあります。

しかながら、淡いピンク色が主流で、目を引くような華やかさに欠けるためかなかなか表舞台に立てないでいる宝石の一つです。

産地はかつてはブラジルが主流でしたが、近年ナイジェリアやモザンビーク、マダガスカルなどのアフリカ産が主流となっています。アフガニスタンでも採れるようです。

因みに、数年前にマダガスカルから産出したものはとても鮮やかなピンク色であり、トルマリンやトパーズ、場合によってはサファイヤのような色のものまでありました。

これらの産出により色の淡さによって脇役的存在であったモルガナイトを主役としたジュエリーが多く作られるようになりました。

それでも市場での流通量、知名度はまだまだと言ったところです。

一方、近年パワーストーン界では人気が出ているようです。

鮮やかなピンクのルースについては現地のディーラーの話によると一つの原石の中でも色の濃淡があり、その濃い部分を少しずつ貯めておき、ある程度の量になった時点でルースとして研磨しているとの事です。

しかし、日本の鑑別業界ではこれらの濃色モルガナイトに対して照射処理疑惑が浮上し、鑑別表記(モルガナイトの鑑別表記)が一部変更されました。(コメントが付きました)

事実、照射処理によって色を濃くして販売されているものもありますが、すべてがそうであるとも言えないようです。

これらの区別は難しく、ディーラーからの情報に頼る他ないのが現状です。

フェルドスパー

「フェル(ド)スパー」とは日本名でいうと「長石」という鉱物グループです。

それもかなり大きなグループです。

長石は地殻を構成している主要元素である酸素(O)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)で構成されているアルミニウムケイ酸塩鉱物です。

従って、地上に非常に沢山あります。

長石の化学式は XY4O8 となります。


こう書くといかにも簡単なのですが、この「X」や「Y」にいろいろな元素が入ってきて複雑な事になります。

今回は少し大まかに一般的な部分だけを取り上げて考えてみます。

ここで、「X」に入るものには

カリウム(K)

ナトリウム(Na)

カルシウム(Ca)

バリウム(Ba)


「Y」には

ケイ素(Si)

アルミニウム(Al)

が入ります。

そして、それぞれを当てはめてみると次の四つの端成分が現れます。

KAlSi3O8 正長石(カリウム長石/カリ長石) 

NaAlSi3O8 曹長石(ナトリウム長石/アルバイト)

CaAl2Si2O8 灰長石(カルシウム長石/アノーサイト)

BaAl2Si2O8 重土長石(バリウム長石/セルシアン)

更に、この中で市場に出ている宝石に関係するものに絞り、①~③の長石について考えます。


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長石はこの①~③がいろいろ混じり合って沢山の種類の宝石が存在します。(この混じり合ったものを固溶体と言います。)

混じり合うといっても三者の違いは赤文字の部分だけなので、赤文字が混じり合います。


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ちょっと前後しますが、まず②と③が混ざっているものから。

②と③は簡単に自由に混ざり合うことができますので、混ざり具合によっていろいろな種類(変種)が存在します。

それらをまとめて「斜長石(プラシオクレース)系列」といいます。

A.(②100-90%)+(③0-10%)・・・・アルバイト(曹長石):宝石としては「ペリステライト」。←最近市場に復活。

B.(②90-70%)+(③10-30%)・・・・オリゴクレース(曹灰長石)「サンストーン」が有名です。

C.(②70-50%)+(③30-50%)・・・・アンデシン(中性長石):宝石はそのまま「アンデシン」

D.(②50-30%)+(③50-70%)・・・・ラブラドーライト(灰曹長石):こちらもそのまま「ラブラドーライト」

E.(②30-10%)+(③70-90%)・・・・バイトーナイト(亜灰長石):「バーナイト」←あまり市場に無い。


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次に①と②が混ざり合ったもの(これらをアルカリ長石系列といいます)

しかしながら、①と②は②と③のようには簡単に混ざり合いません。

自由に混ざり合うには660℃以上の条件が必要との事です。例え、高温状態で一度混ざっても、温度が下がると分離してしまうそうです。

従って、斜長石系列のように含有率で区別することが出来ないので、性質、結晶系やその他の特徴で分類しているようです。

大まかに分けると、

A.オーソクレース:宝石としてはオーソクレースやムーンストーン。

B.アデュラリア:成分の95%以上がオーソクレースで、残りがサニディン他。宝石ではあまり市場には無い。

C.サニディン:あまり市場には無い。

D.マイクロクリン(マイクロクライン):主成分は①(オーソクレース:正長石)だが、結晶系が③(アルバイト:曹長石)。宝石としては「アマゾナイト」が有名。


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最後に、①と③ですが、これはほとんど混ざらないようです。



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ここで、追加なのですが、今まで注目していなかった④について最近情報が入りました。

①(正長石)と④(重土長石)の固溶体(混ざりもの)の「ハイアロフェロン」というものがあるそうです。宝石として流通するようなものではないようですが、マニアの方には面白い石なのかも知れませんね。

このように、長石グループはいろいろな宝石が存在します。

もしかしたら今後も新しいものが出てくるかも知れません。


アンモライト

アンモライトは1979年にカナダのアルバータ州で発見された比較的新しい宝石です。外観がオパールに似た七色のイリデッセンスを示す特異な天然石です。

カナダ産アンモライト☆27.66ct.

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「アンモライト」と聞いて???と思う方面多いと思います。「アンモナイト」は聞き覚えのある言葉だと思いますが。。。。。

アンモライトの名の由来は「アンモナイト」から来ています。

つまり、「アンモライト」とは簡単にいえば、あの太古の生物である「アンモナイト」の化石が宝石になったものです。

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そのことは、原石(?)を見れば一目瞭然です。

カナダ産アンモライト☆原石

最近では、エメラルドや水晶など、宝石によっては、穴を開け、鎖に通すなどして原石のままネックレスやピアスなどの宝飾品としてに使うことがありますが、

アンモライトの場合、通常、宝飾品としては、表面を薄く切り取って使用されます。

なぜなら。。。。原石が非常に大きいからです。

カナダ産アンモライト☆原石

隣に写っているのが通常の大きさの携帯電話です。

流石にこの大きさでは身につけられないので、手のひらサイズにカットされます。

そのため、形状や見た目がちょうどボルダーオパールに似ていることから、オパールの類似石として使用されたり、オパールと混同されている方も多いようです。

しかし、外観はオパールに似ていますが、オパールとは構成物質が少し異なります。

オパールはケイ酸球と呼ばれる球状の結晶が規則正しく配列していますが、

このアンモライトはアラゴナイトと呼ばれる炭酸カルシウムの結晶が規則正しく積み重なっています。

アラゴナイトは貝殻などの主成分で、当然アンモナイトの殻にも多く含まれています。

通常、貝殻はこのアラゴナイトとコンキオリンというタンパク質の積層構造となっております。

イメージ的にブロック塀に例えると、アラゴナイトがブロックで、コンキオリンがそのブロックをつなげるモルタル(セメント)のような関係です。

ちなみに、この「アラゴナイト」と「コンキオリン」による「ブロック塀構造(?)」で有名なものに、真珠が挙げられます。

つまり、アンモライトはオパールよりも真珠に近い構造をしているといえます。

今回のアンモライトは永い年月によって化石化したアンモナイトの殻が風化などのいろいろな条件が重なり、アラゴナイトだけの積層構造となったものと考えられます。

では、何故、七色に光るのか??

アラゴナイトの結晶は基本的には透明から半透明です。

つまり、光を通します。

また、アラゴナイトの表面には少なからず光沢があります。(ガラス光沢~樹脂光沢)

ここで、アラゴナイトの結晶は何層にも重なっているので、それぞれの層の表面で反射した光が目に戻ってくる際に干渉しあって様々な色にみえます。(この光の現象を「イリデッセンス」といいます。)

このように、アンモナイトの表面にアラゴナイトの結晶が重なってイリデッセンスを示すものを「アンモライト」といいます。

カシャライアメシスト

カシャライ鉱山とはブラジルロンドニア州にある鉱山で、ブラジルのアメシスト鉱山としては比較的新しい鉱山です。1999年に濃色のアメシストが発見されて以来有名になりました。


カシャライ鉱山産のアメシストの見た目の特徴としては、先ず、色が濃色で大変美しい。そして、カラーゾーニング(色帯)が非常にシャープであることが挙げられます。後者は宝石の品質的には・・・という感じですが、カシャライ産の特徴といえます。


これだけでは特に気にならないアメシストなのですが、実はこのアメシスト、昨今ネット市場ではとても有名な別名が付いています。それは『カラーチェンジアメシスト』という名称です。

この名称についてはいろいろな意見があるようです。事実、自然光や蛍光灯などの白色光の下では綺麗な青紫色、ペンライトやスポットライトの様な暖色系の光の下では赤紫色になりますから、商品名としてとてもいい名称だと思うのですが、鑑別機関ではその様に判断されることはないようです。残念です。。。。


この様にカシャライ産アメシストは一般の方の目を楽しませてくれるのですが、その裏で、鑑別機関を少々困らせる一面があります。

それは3534cm-1の吸収です。この吸収特性はこのアメシストが発見されるまでは合成アメシストの特徴とされていました。つまり、このアメシストの発見によって、『3534cm-1の吸収特性があれば合成!』という今までの考え方が覆りました。これは当時の天然、合成の判断を難しくしたという意味で大きな事件でした。

この様にいろいろと特性を持ったカシャライ産アメシストですが、宝石としての見どころは何と言っても色です。

色の濃さには好みがありますが、濃いながらも鮮やかさのある紫色のものが高品質とされています。また、濃いものの方が色の変化が分かりやすい傾向にあるようです。

また、色帯や色溜まりの多いのもこの石の特徴です。色乗りが石全体に均一であるに越したことはないですが、少々の色の濃淡をその石の個性だと感じて頂ければとても幸いです。

逆に、シャープな色帯によってバイカラーになっているものなどはそれはそれで別の楽しみ方があるかも知れません。


その他としては、当たり前ですがインクルージョンの無いものが理想です。なぜなら、カラーチェンジということで光を当てて楽しむような石は光を当てる事によって通常隠れて見えないものまで見えてしまうからです。

この様に、鑑別による名称がどうであれ、インクルージョンが無く、高品質でかつ、バイオレットからパープルピンクに変化するような石はとても楽しめる石だと思います。

アメシスト

アメシストといえば最もメジャーな石の一つではないでしょうか?大抵の方はその名を聞けば「紫色」を思い浮かべることが出来るくらい日常生活に馴染んでいます。そして、それは宝飾品のみならず鉱物の置物やパワーストーンとしても重宝されています。

この石が身近な理由はその豊富さにもあります。アメシストは地表に豊富に存在する水晶の変種(一種)です。また、紫の原因とされる元素も豊富に存在する鉄です。無色の水晶内に含まれた鉄が地中において長い年月をかけて自然照射される事によって不安定な四価の鉄イオンになり色が付いたとされています。

この様に豊富に存在するアメシストですから品質もピンからキリまであります。鉱物的には濃いものが少ない為、その稀少性から濃色のものが高値で取引されていますが、色に関しては好みがありますので必ずしも濃色のものが人気とは限りません。最近では、非常に淡いものをブランド展開されているところもあります。また、色帯(色むら)もこの石の特徴ですが、やはり色帯がなく均一に色が乗っているものが良いようです。

他の品質に関しては、透明という印象の強い水晶ですが、実は液体や固体の様々なインクルージョンが入っています。パワーストーンの世界において特定のインクルージョンを重宝することはありますが、一般的にインクルージョンは透明度を下げてしましますのでやはり無いに越したことはありません。この様な観点からルースを見てみると、意外にインクルージョンの無いものが市場に少ないことが分かります。透明度の高いアメシストは実は稀少なのです。

安価なルースはかわいそうな事にその扱われ方が荒いことが多いです。アメシストもその例に漏れない石です。綺麗な石でも良く見ると小さなキズや割れがある事が多いです。この様な意味でも、日頃あまり注目されていないアメシストも綺麗で透明度が高く状態の良いものは稀少だという事になります。

スポジュメン

スポジュメンとは宝石では聞きなれない言葉ですが、クンツァイトといえば馴染みのある方も多いのではないでしょうか?

クンツァイトはスポジュメンの中のピンク~紫色のものを指します。この場合、クンツァイトが宝石名でスポジュメンが鉱物名となります。これはちょうどサファイアとコランダムやエメラルドとベリルの関係と同じです。

スポジュメンの色には無色、ピンク、黄色、緑、紫、茶色等があります。

宝石名としては基本的に 『色名+スポジュメン』 となりますが、黄色、緑、ピンク、紫にはそれぞれトリフェーンヒデナイトクンツァイトの宝石名があります。

緑色に関しては二種類あり、着色原因により区別されています。これはちょうどベリルのエメラルドの場合と同じであり、クロム着色のグリーンをヒデナイト、鉄着色のグリーンはグリーンスポジュメンとなります。


スポジュメンは少々難しい性質を持つ宝石です。スポジュメンの色は淡いものから濃いものまでいろいろありますが、とても不安定な着色原因による色であり、そのほとんどが日光の紫外線にて褪色してしまうため、取り扱いの難しい宝石として知られています。

その為かクンツァイトは「夜(身に付けるため)の宝石」ともいわれています。

また、スポジュメンの難しさは色だけではありません。その結晶構造にも難題を秘めています。それは『劈開』という裂けやすい性質です。この性質が特に顕著なため、カット、研磨が非常に難しい宝石です。

現在、日本国内でスポジュメンのリカットを他の石と同じ金額で快く引き受けてくれるところを探す事はかなり難しいです。

この様にいろいろと難しい宝石ですが、クンツァイトは根強い人気があります。

研磨の難しい宝石ではありますが、磨きがいのある宝石ともいえるようで、綺麗に磨かれたクンツァイトなどは大変テリがあり、眩しいくらいの輝きを放ちます。この輝きがクンツァイトの人気の秘密なのかも知れません。

グリーントルマリン

アフリカ産トルマリン☆オーバル13x10☆5.60ct.

トルマリンといえば無い色が無いといわれるほどカラーバラエティーに富んだ宝石です。

そのトルマリンの中で最も一般的な色といえばグリーンです。

グリーントルマリンの緑色は(一部を除いて)鉄によってもたらされます。鉄は自然界に多く存在する元素ですので納得のいくところです。


グリーンと一言で言っても色の範囲にかなりの幅があります。どの色石にもあるのですが、トルマリンの場合は特にその範囲が広いといえます。

先ず、色相においてはカテキンや苔の様なブラウニッシュグリーンやイエローイッシュグリーン、そしてブルーイッシュグリーンまであります。

また、明度や彩度においては明るい(淡い)ものから暗い(濃い)ものまであります。

市場ではブルー系のもの、明るいもの、彩度が高ければ濃いものが稀少であり人気も高いです。

また、トルマリンは見た目の色に影響を及ぼすある特性を持っています。それは『多色性』といい、見る角度によって色が違って見える特性です。

この多色性はほとんどの色石に見られますが、トルマリンは特にそれが顕著に観察できる石です。

更に、グルーンの様な濃い色では尚更です。見方によっては石を動かさなくてもハッキリと違う二色が一度に観察できるものもあります。

見る角度によって違って見えるので原石からのカットの方向や、ルースにおいてはセッティングの方向によって顔色を変える面白い宝石でもあります。


シトリン

柑橘系の果実の色に似ている事から名付けられたシトリンは水晶の一種です。

市場でもよく目にするシトリンですが、実際は天然の産出はあまり無く、ほとんどがアメシストを加熱する事によって得られます。 そのためもありますが、アメシストの様に色帯や色むらが見られます。

シトリンの和名は黄水晶ですので、以前はいろいろな黄色い水晶をすべて『シトリン』と呼んでいましたが、現在では少しオレンジ味のある黄色からオレンジやブラウン系の色の水晶のみをシトリンと呼んでいます。

その他の黄色い水晶というのは、1990年代に登場した鮮やかなレモン色の水晶です。 当時はこの色の水晶(クォーツ)も鑑別にて『シトリン』呼んでいましたが、照射処理によって得られる色であると判明したため、鑑別ではただの『クォーツ』と標記されるようになりました。

それ以来、このクォーツは『レモンクォーツ』という商品名で流通するようになりました。

また、最近まで(或いは今でも)比較的大きなお店ででも『シトリントパーズ』という石が存在している事に驚きました。

名前の響きからは『シトリンの様なトパーズ』と聞こえるのですが、これは見た目が似ているという事で、シトリンを高く販売するための名称であり、実物はトパーズではなくシトリン(黄水晶)です。

従って、当然『シトリントパーズ』という名前の石は存在しませんのでお気を付け下さい。

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