スペサルティンガーネット

ガーネットと聞けば赤い宝石を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、実は、ガーネットにはいろいろな色が存在します。彩度や色相が自由自在という訳ではありませんが、一応、赤、橙、黄、緑、青、紫、更に、ピンクや無色も存在します。スペサルティンガーネットはその中の橙色のものを指します。
スペサルティンの橙色はマンガンによる色です。また、このマンガンはスペサの主要構成元素となっています。つまり、スペサルティンは自色鉱物であり、橙色系以外のスペサルティンは存在しません。
一概に橙色系と言っても色相や彩度の範囲に幅があります。スペサルティンの色はマンダリンガーネットのコマーシャルネームでお馴染みの鮮やかなオレンジ色から、彩度の低いブラウン系、そして、マンガンが鉄に置き換わる事によって赤味の増した橙色まであります。
スペサルティンは比較的屈折率の高いガーネットグループの中でもデマントイドガーネットに次ぐ二番目の高さを誇ります。これはルビーやサファイア、エメラルド等をはるかに凌ぐ高さであり、ダイヤを除いた色石の中でもトップクラスです。この高い屈折率により内部から溢れる様な力強い輝きが魅力となります。ただし、その魅力を引き出すには、高い透明度と正確なカットと研磨が必須である事は言うまでもありません。
スペサルティンの人気の色は稀少性と合致しています。ナミビア産に代表されるマンダリンガーネットと呼ばれる非常に鮮やかなオレンジ色が最も稀少かつ人気で、次に、業者間でファンタカラーと呼ばれるファンタオレンジの様な爽やかで透き通ったオレンジ色が人気です。
実際の産出状況は彩度の低いブラウン系や赤が多く混じった暗い感じのものがほとんどであることからも人気の色の稀少さがわかります。
また、スペサルティンは針状インクルージョンにに加え、チューブインクルージョンや液体インクルージョンがとても多い石です。中でも、液体インクルージョンは平面上に広がっている為、インクルージョンを避けてカットする事が難しく、ルースにおいて透明度を下げる要因となる為やっかいな存在です。
この様な観点からも透明度の高いスペサルティンガーネットは稀少な存在といえます。