デマントイドガーネット



デマントイドガーネットは数種類あるガーネットの中で最も稀少で高価なガーネットといえます。
赤色が一般的なガーネットですが、この石は綺麗なグリーンをしています。これはルビーやエメラルドの色の原因ともなっているクロムという稀少金属によって発色しています。
このデマントイドの属するアンドラダイトというガーネットは光の分散度がとても高いという特徴があります。分散度が高いとルースにカットした際にファイアと呼ばれるキラキラとした虹色の輝きが見られます。
この分散度は各石固有のものであり、数値として表わす事が出来ます。キラキラした宝石の代表格であるダイヤモンドは0.044であるのに対し、デマントイドは0.057とダイヤを凌ぐ分散度を有しています。
この為、デマントイドの名はダイヤモンドの様なという意味合いのオランダ語Demantに由来しています。
デマントイドガーネットにはロシア、イタリア、イラン、ナミビア、マダガスカルなどいくつか産地があります。現在市場に多く流通しているのはロシア産とアフリカ(ナミビアやマダガスカル)産です。
これらの中でもロシア産は別格とされ、取引価格も大きく異なります。その理由として考えられるのは色とインクルージョンです。
ロシア産はアフリカ産に比べクロムの含有量が多く、より濃い緑色をしています。また、母岩の違いによってロシア産にのみ「クリソタイル」と呼ばれる細長い繊維状のインクルージョンが入っています。このインクルージョンは馬の尻尾のように見える事から「ホーステールインクルージョン」と呼ばれています。
インクルージョンとは一般には宝石の透明度に影響を与える為、好ましくないとされがちです。ところが、デマントイドガーネットが世にデビューした中世ヨーロッパでは馬が寵愛されていました。そこで、馬の尻尾のようなインクルージョンを有するこの宝石は幸運のお守りとして当時の貴族の間で人気を博したそうです。