デマントイドガーネット
鑑別書に「デマントイドガーネット」と表記されるためには次の二つの条件が必要です。
まず、①アンドラダイトガーネットであること。
そして、②緑色であること。
これらに当てはまればデマントイドガーネットです。
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①はわかりますが、②についてはかなり大ざっぱな感じにも取れます。
ひとくちに「緑色」と言ってもいろいろあります。一体どんな緑色のことなのか?・ ・ ・ ・ ・ ・
それは一般の方が肉眼で見て緑色系に見えればそれでいいのです。
つまり、アンドラダイトガーネットであることが分かっていれば、一般の方でもデマントイドガーネットと判断することができるのです。
とはいうものの、アンドラダイトガーネットであるか否かは鑑別機関にしかわからないので、わざわざ自分の眼で色を見なくても始めからすべて鑑別してもらえば済むことだという話もあります。
ルースの数が少なければそうするのが確かに早いのです。しかし、もし大量のルースを扱う場合は大変です。
弊社も大量に扱っていますが、ルース一つひとつをすべてを鑑別機関にお願いしているわけではありません。
色味の異なる数個を鑑別してもらい、デマントイドガーネットであることを確認出来れば残りはこちらで肉眼で色を見て判断しています。(現在までのところ間違いはまだありません。)
このように、特殊な機器を使わずに色を見て判断できるのです。
しかし、一つだけ注意しなければならないことがあります。
それは色の範囲です。緑色系の色の範囲です。
一般にデマントイドガーネットの色の範囲は黄(金)色~深緑色です。
ここで問題なのは黄(金)色との境界です。
黄色味の強い緑色(黄緑色)であればデマントイドガーネットですが、緑味の強い黄色(緑黄色)になるとただのアンドラダイトガーネットになってしまいます。
色の範囲は鑑別機関も持つ基準によります。従って、境界付近の微妙な色は鑑別機関にお願いした方が良いと思います。
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ここで鑑別に出した場合の鑑別表記についてふれてみたいと思います。
鑑別機関にお願いして石の名前を知るには次の二つの方法があります。
ひとつはソーティングメモ、もう一つは鑑別書です。
◆鑑別表記について◆
ソーティングメモの場合: 天然ガーネット / デマントイドガーネット
鑑別書の場合: (鉱物名)天然ガーネット / (宝石名)デマントイドガーネット
となります。因みに「デマントイドガーネット」と判断されなかった場合は「アンドラダイトガーネット」となります。
また、デマントイドガーネットの場合、鑑別書に「インクルージョンレポート」というものを付けることができます。
これは、デマントイドガーネット特有の「ホーステールインクルージョン」の拡大写真とそれについてのコメントが記載されています。
このレポートはコレクターや石好きの方には好評のようです。